© あしかがのこと。 All rights reserved.

20137/18

5年間で足利の人口がどのくらい減ったのかを世代別でグラフにしてみた


「足利は若者が少ない」「就職先がないためUターンしてこない」などと足利と若者の話題になると暗い内容を耳にします。この記事では、足利市の社会増減(※)を数字で見ることで「足利と若者」を客観的に捉えてみるのが狙いです。

※社会増減…ある地域の人口が、他地域からの転入、あるいは他地域への転出によって生じる増減をそれぞれ社会増、社会減という。

まず最初に下の図をご覧ください。これは2005年と2010年の国勢調査を元に足利市の社会増減をまとめた図です。これを人口コーホート図と呼びます。この図のポイントは5年前と5年後の同じ世代の人口を差し引くのではなく、5歳下の人口を差し引くことで5年間の足利市への転出と転入を計算していることです。

この図を見ると高校生、専門学校生、大学生の世代(15-19歳、20-24歳)が大きく減少しています。進学を機会に足利市から若者が離れているのが見て取れます。

次に新卒世代(25-29歳)を見てみるとマイナス幅が進学する世代よりは狭まります。この数字を見ると、卒業後に足利へ戻っている若者も一定数いる、ということができます。しかし、大きなマイナスであることは確かです。では、それはなぜか。一つの理由としては「地元に戻って働ける場所がない」という仮説が立てられます。

人口コーホート図を使い分析を行うことでその都市における強みと弱みに対し、仮説を立てやすくなります。例えば、20代後半からの子育て世代がプラスに転じていれば、その都市の子育て政策が充実していて「子育てしやすい街と評判である」などです。

今回、足利市の人口コーホート図をまとめていて愕然としたのは、全ての世代において足利市はマイナスということです。強みが分からず総崩れという印象を持ちました。また、意外に高齢者の自然減が多いことも気になります。社会増減なので死亡も含まれますがそれでも他の世代と比べて多すぎる気がします。

全体の底上げはもちろん大切ですが、各世代が何故足利市から出て行ってしまうのか。それぞれに異なった対策が必要です。私たちNPO法人コミュニケーション・ラボは若者にフォーカスして、タウンミーティングなどを開催し、声を取り上げていきたいと考えています。

<参考文献>
月刊福祉 2013年7月号P36-39 東洋大学経済学部 根本祐二 教授


※この記事に掲載されている情報は取材当時(2013/07/18)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。

※見出し、記事、写真の無断転載はご遠慮ください。

The following two tabs change content below.

山田 雅俊

特定非営利活動法人コムラボ 代表理事、あしかがのこと。発行責任者。本業はIT屋。システム開発、Web製作、ICTサポートの経験を生かし、地方都市における情報格差に対し企業・NPO法人の両方から取り組む。趣味のカメラで子どもたちを撮るのが楽しみ。

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

ロケットパン

足利の学校給食の今。なぜ「ロケットパン」は姿を消したのか

足利で創業100年。親子3代続く稲葉納豆工業所

足利で創業100年。親子3代続く稲葉納豆工業所

保護者と子どもで決める放課後の過ごし方

遊べる場所が無いから作った 保護者と子どもで決める放課後の過ごし方「葉鹿学童クラブ」

旅猫リポート

第31回東京国際映画祭 足利撮影作品『旅猫リポート』取材

足利の学校給食で使われている牛乳パッケージの歴史をたどる

足利の学校給食で使われている牛乳パッケージの歴史をたどる

ページ上部へ戻る