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海を渡った銘仙着物が足利に集結!「VIVID銘仙-煌めきのモダンきもの-」
街路樹が赤、黄色、鮮やかに色づく季節になりました。紅葉した木々の葉に負けないくらい鮮やかな着物…銘仙の企画展「VIVID 銘仙 -煌めきのモダンきもの-」が、足利市立美術館で開催されています。
海を渡った銘仙が足利に集結!
企画展のタイトルにある「VIVID」とは「鮮やかな」、「目の覚めるような」、「強烈な」などの意味を持つ言葉。その色柄の印象から「VIVID銘仙」と名づけられた約70点の着物と図案、ポスターが紹介されています。
今回の展示は、今春、日伊国交樹立150年を記念しローマで開催されて好評を博した「VIVID MEISEN」展を、更に充実拡大して開催するものです。この企画展はいわば凱旋(がいせん)記念。「着物なので骨董品・美術品とは違って、ローマへ持っていくのにスーツケースへ入れて運んだものもあるんです。」とは足利市立美術館大森館長の談。スーツケースで海を渡った銘仙着物が再び足利に集まりました。
銘仙ってどんな着物?
銘仙は大正から昭和期に日本で大流行した絣(かすり)着物です。斬新なデザイン、鮮やかな色、しかも手ごろな値段の銘仙はファッショナブルな大衆着物として当時の女性に愛されました。最盛期である昭和5年の全国銘仙生産量は1300万反。同年の国勢調査による女性人口は約3200万人ですから、女性の4人に1人は銘仙着物を持っていた計算になります。
足利も主要な産地であり、昭和14年には関東の10カ所の銘仙産地の中で生産量が首位だった記録も残っています。(足利繊維協同組合所蔵の資料より)
銘仙の製作の技法には「解(ほぐ)し」・「併用」・「半併用」などがあります。大森館長によると「展示している着物は当時の人々が日常使用したものなので、タグや値札といった資料はありません。それでも産地により主な技法があるため、例えば半併用なら足利産だろう、というようにある程度特定ができるのです。」とのことでした。
レトロでモダンなデザインの銘仙は今、世界から注目され、産地である足利、伊勢崎、秩父では銘仙をまちづくりに活かす動きが活発になってきています。
魅惑の銘仙着物。それを作った仕事人
1階には、銘仙模様の図案集、ポスター、その原画などが展示されています。銘仙を魅力的に作るためのデザイン企画、それを世の中へ送り出していくためのマーケティング戦略など、当時の銘仙に関わった人たちの仕事ぶりを知ることができます。
2階のメインは銘仙着物の実物展示。壁一面に色とりどりの銘仙着物がずらりと並んでいます。模様のモチーフは花だけでなく、幾何学模様、鳥、ラケットと多彩。「雲に零戦」という戦時中の事物を用いた模様の銘仙もありました。天体模様の銘仙着物の前では大森館長が「昭和30年頃の着物です。宇宙への関心が高まってきた時代だったのかもしれません。」と話してくれました。当時の人たちの関心を集めていたものは何だったのかが、銘仙の模様からもうかがえます。(取材・執筆:Akiyo Ishii、デスク:山田雅俊)
日時 | 2016年10月22日 ~ 2016年12月25日 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで) |
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場所 | 足利市立美術館 栃木県足利市通2丁目14-7 |
料金 | 一般700(560)円、高校・大学生500(400 )円、中学生以下無料 |
備考 | 休館日 月曜日(11月21日を除く)、11月4日(金)、11月24日(木) *障がい者手帳をお持ちの方は、観覧料が免除になります。 *「いきいきパスポート」をお持ちの方、および両毛広域都市圏内にお住まいの65歳以上の方は無料です(住所・年齢を証明できるものをご提示ください)。 *第3 日曜日「家庭の日」(12月18日)は、中学生以下のお子さまを同伴のご家族は無料となります。 *11月19日(土)、20日(日)、23日(水・祝)は足利学校さままつりのため無料となります。 主催:足利市立美術館 後援:伊勢崎市、桐生市 協力:(一財)足利織物会館、足利商工会議所、足利まちなか遊学館、いせさき明治館、いせさき銘仙の会、桐生織塾(和田良子、武藤和夫コレクション)、栃木県産業技術支援センター繊維技術支援センター、東京文化財研究所、木村和恵、橋本晴男、(公財)足利市みどりと文化・スポーツ財団、東武鉄道(株) 企画協力:E・V・Eコミュニケーションズグループ(株) |
※この記事に掲載されている情報は取材当時(2016/11/06)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。
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Akiyo Ishii
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