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足利市雪輪町「意外と気づかない足利のステキな景観」
みなさん、はじめまして。フセジマと申します。
生まれも育ちも足利ですが、大学卒業後に上京し、15年近く都内で生活しております。それでも足利は都心からアクセスが近いこともあり、定期的に帰省をしているごくごく一般的な社会人です。
さて、今回の記事は、いつもの『あしかがのこと。』で紹介されているグルメやイベント情報とは異なります。
それでもこれから触れる内容は紛れもなく、あしかがのこと。
テーマの特色が、いつもよりほんのちょっと異なるだけです。その辺りを踏まえて、少々お付き合いいただければ幸いです。
足利という街には、足利に住んでいる人ほど気づかないステキな場所がたくさんあることをご存知でしょうか? そしてそれらは、とてもステキだったりします。
ステキなのに足利市民ほど気づかないってどういうこと? と言われそうですが、何故ならそれらは、あまりにも日常に溶け込みすぎているからなのです。
このことに自分が気づかされたのは、かれこれ5年ぐらい前のことでしょうか。帰省したある日の夕暮れどき、ふとした気まぐれで、今まで立ち寄ることすらなかった雪輪町~巴町界隈の裏路地に入ってみました。
すると突然、下記のような景色が眼前に現れたのです。
この景観を目の当たりにした瞬間、まるで時が止まったかのような錯覚に陥りました。
古い木造住宅が並ぶ路地から見渡せるあかね色に染まった空、それを背にモクモクと出る銭湯の煙。この景観は昭和レトロやノスタルジーといった、ありきたりな一言では片付けられませんでした。この包み込まれるような空気感は、一気に日々の疲れすら吹き飛ばしてしまうインパクトがありました。
足利には、こんなステキな景観が存在するのか! しかも日常的に味わえるって、とても幸せなことではないだろうか! そう強く感じたのです。
自分はこの日以来、帰省する度に足利に住んでいたころには立ち寄りもしなかったさまざまな町内に足を運んでは、カメラのシャッターを切るようになったのです。
旭町付近の風情ある閑静な路地
通4丁目の景観とそこで遭遇した猫
こちらは有名ですが、渡良瀬橋からの夕刻
この出来事を住民の方々に伝えると、「あの辺も昔は栄えてたんだけど、寂しい場所になっちゃったよねぇ…空き家も多くて、何にもない場所だよね」と大半の方が答えます。
もちろんそれも事実なので、そうおっしゃりたくなる気持ちも分かります。
ところが、昨年の秋に雪輪町周辺の撮影に向かったところ、都内から来たという40歳後半の夫婦と遭遇しました。どうやら旦那さんはプロのカメラマンのようで、自分が目にした景観を夢中になって撮影していました。
「いや~足利にはじめて来たんだけど、この街には古くて趣深い景観が所々にあって素晴らしいね。足利学校や鑁阿寺目当てて来たんだけどさ、こういう場所を歩いているほうがおもしろいよ!」と楽しそうに思いを伝えてくれたのです。
足利は映画やドラマのロケ地として頻繁に起用されることが多くなりました。数年前、大人気少女マンガ『君に届け』の実写映画も足利で撮影されましたが、本作品のテレビ特番で主演女優の多部未華子さんも、足利の落ち着く景観が気に入って撮影の合間にはよく街をウロウロしたと番組内で語られ、撮影の合間に雪輪町の周辺を散策しているシーンも公開されました。
歴史ある足利学校や鑁阿寺、そして県外の方がよく訪れるフラワーパーク。これらも足利が誇る素晴らしいスポットです。しかし足利の魅力は、それら有名な観光スポットだけではありません。感じる人には琴線に触れる素晴らしい場所が、足利には至る所に存在するのです。
もしこの記事を読まれて少しでもご関心を持たれた方は、ぶらり足利市内の散策でもいかがでしょうか? ちょっと視点を変えただけで、今まで思ってもいなかった更なる足利の魅力に遭遇できるかもしれません。
……と、ここで締めくくるつもりだったのですが、今年の8月に雪輪町にあった大きなのこぎり屋根の建物を取り壊しているところに出くわしました。
家主さん曰く、明治初期の100年前から存在する繊維工場だったようです。老朽化が激しいから取り壊したのでしょうけど、内心、貴重な街並みが…といった気持ちに包まれました。
ついでに、この裏にも大きな空き家があるけど、こちらにお住まいの方は?と尋ねたところ、その家の息子たちは仕事で上京したようだが、今や何をしているか不明とのこと。国有地でないところを見ると、誰かが管理してるんだろうけど、もうその一族がどこで何をしているのか分からないと、ご近所さんでもお隣の状況を知らないご様子。
5年前は、この辺の景観は、おそらく10年経っても変わらないのでは…と思っていたのですが、やはり時代の流れに乗らずにいることは難しいようで、ここ一年で急激に足利の古い街並が取り壊されている状況です。
積もる事情があることは想像をしつつ、風情のある街の景観を上手く活用できないだろうか? と思ったりもしてしまいます。
かつて繊維工場だったのこぎり屋根と向かいの大きな空き家付近
※この記事に掲載されている情報は取材当時(2014/10/16)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。
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kouji_fusejima
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コメント
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コメント (5)
全て 素敵なフォトですね。
その近くに 古民家も再開して嬉しいですね。
足利市を愛せる気持ちは、一緒ですが どうも映画ばかりに力を入れるのは疑問です。
車窓から山が見えてくると足利に帰ってきたなと思い、渡良瀬の土手から町を眺め、足利はきれいな町だなあと毎度思いなにやら嬉しくなります。
まっすぐてくてく歩き、変わってゆく町並みを寂しく思い、時計屋は相変わらずだなあ、薬局は屋根が崩れないかしらと心配し、へびやの蛇はどこにいったのかなあと思い、路地を歩いて古い家に着きます。
雪輪町のいわれを探していてたどり着いて、なんだか懐かしかったです‼️
こんな昔の記事にコメントいただけるなんて嬉しいです!
私のコメント見えるでしょうか?
最近、この界隈は注目されているようで
不定期に長屋でお店やイベントが開催されたり
ちょっと前はNHKで取り上げられてました。
時代が遂に追いついた!?
でも一方で古い建物が老朽化で壊されたり
更地も目立ちはじめましたね。
やむを得ないことでしょうが、
平成も終わるというのにこの昭和な情緒
ますます貴重です。
私が小学生の頃親が雪輪町で飲食店をしていたので私もその周辺は懐かしい気持ちで時~々お散歩しています。本当にノスタルジックな気分に浸れるいい所ですよね😌 あぁ、まだここはあるんだ~、あれっ❓ここはなくなっちゃった💧って感じで…
写真を拝見させてもらって子供の頃の色々な思い出がよみがえりました😊
かなり昔の記事に関わらずコメントありがとうございます!
どの辺りでどんな感じのお店なのか気になります。
お好み焼き屋さんもありましたね。
今も飲み屋さんも多いですよね。
壊されてしまった建物も多いですが
いつまでも雰囲気ある通りでいてほしいです。