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足利からモンゴルへ。素材調達からこだわるFACTORYのニット製品

20171/17

足利からモンゴルへ。素材調達からこだわるFACTORYのニット製品


古くから繊維の町として知られている栃木県足利市で、企画から製造、販売まですべて自社で行う洋服屋さんがあります。朝倉町にあるコムファーストアピタ足利店の東側に店舗を構える「FACTORY」。ミシン一つから始まったファクトリーはより良いものを求め続け、素材という原点にたどり着きました。

カシミアより希少価値の高いキャメル、ヤクのニット製品

ファクトリーのショップには、カシミア、アルパカ、キャメル、ヤクといった素材100%のニット製品が並んでいます。カシミアよりも産毛量の少ないキャメルとヤクの素材は、たいへん貴重。「素材ごとに毛質や手触り、温もりに違いがあり、その違いを肌で感じてもらえるよう、同じデザインを素材別で作ることもあります」そう話すのは、マーケティング営業担当の野村塁のむら るいさん。ニット製品は毛質によって、着るのに最適な時期があるのだとか。脂分が多いキャメルの毛はしっとりしていて肌にフィット。初冬よりも空気が乾燥してくる12月頃から着ると、快適に着られるそうです。

FACTORY店舗内にならぶニット製品

FACTORY店舗内にならぶニット製品

なぜ羊毛より獣毛が貴重なのか

ファクトリーでは冬のセーターを約2000枚製造。決して多いほうではないと話す野村さんですが、ファクトリーで扱っている獣毛(※)と呼ばれる素材は、貴重な素材といわれているものばかり。獣毛の産毛量すべてを合わせても、羊毛(ウール)の4分の1程度です。羊毛の産毛量と比べるとキャメルはわずか0.1%(※2)。ラクダの9割を占めるヒトコブラクダは運搬用に飼育されているため毛を採ることができません。キャメルは残り1割程度のフタコブラクダからしか採れないため、貴重な素材となっています。

(※)獣毛(産毛量の多い順に)…カシミヤ、アンゴラ、アルパカ、モヘヤ、キャメル、その他(ヤク、ビキューナ等)

フタコブラクダの原毛から作られたキャメル100%の貴重な糸

フタコブラクダの原毛から作られたキャメル100%の貴重な糸

より良い素材を求め、足利からモンゴルへ

「素材の肌触りや温もり、匂いまでも、そのまま着る人に伝えていきたい」モノづくり対するファクトリーの姿勢を野村さんは話します。良質の素材を求めモンゴルにたどり着いたファクトリー。「モンゴル国内でも気候や風土、育ち方の違いで、動物の毛質はそれぞれ変わるもの」と、遊牧民から直接原毛を仕入れることになりました。商社などを通さずに直接仕入れるのは、原毛を糸にしたとき、見極めた確かな素材が異なる地の原毛と混ざり合わないためです。ファクトリーは遊牧民と現地の儀式も交わし、カシミア、キャメル、ヤクの原毛を仕入れています。

1年以上掛かることもあるニット製品づくり

一つのセーターができるまで、毛刈りから数えると1年を超えることもあるそうです。2017年からは原毛を糸にする工場をモンゴルに開設。デザインはパリのオフィスで行い、製造は真砂町にある工場で18人の職人たちは製品一つ一つの形を想い描きながらモノづくりに励んでいます。「いろんなシーンでファクトリーの服とストーリーを築いてほしい。着る人に馴染むアンティークな洋服になれるよう、これからもファクトリーはより良いものを求めて一歩一歩前に進んでいきたい」と野村さんは語ります。

<参考資料>

FACTORY 店舗情報

FACTORY店舗

場所FACTORY
栃木県足利市朝倉町243‐23
備考TEL/FAX:0284‐73‐5857
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日
駐車場:4台
公式ホームページ:http://www.factory-web.co.jp/

※この記事に掲載されている情報は取材当時(2017/01/17)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。

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新井かおり

クラウドソーシング活用講座の1期生。ライティングとデザインの講座を受講し、現在も継続して活動中。3人の子の成長を見守りつつ、母は新たな分野にチャレンジです!好きなものはスクラップブッキング、スイミング、シュークリーム~。

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