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足利にまだあった!相田みつをデザインのソース「北陽千鳥」
北関東自動車道の足利インターチェンジに隣接する工業団地、足利インター・ビジネスパークにある日東産業株式会社は、主に業務用向け調味料を製造、販売しています。創業は1946年(昭和21年)。71年続いてきた技術力を生かし「地域の食材を使用したい」など、依頼主の要望に応じたオリジナルの味を開発、提供しています。創業間もなくから販売された北陽千鳥ソース。現在はオリジナルブランドとしてたれ、ドレッシングなどソース以外の調味料にも「北陽千鳥」の名を掲げています。
相田みつをデザインのソースを知っていましたか?
販売当初から北陽千鳥ソースのラベルにある鳥のロゴマークと「北陽千鳥」の文字は、足利市出身の詩人で書家でもある相田みつをさんのデザイン。若い頃、市内の商店を訪ね包装紙などをデザインする仕事を行っていた相田さんに「何か仕事はないか」という相談をされ「北陽千鳥」のデザインを依頼したそうです。日東産業の三代目にあたる代表取締役会長の北隅俊夫さんと、四代目代表取締役社長の北隅隆幸さんに相田みつをデザインのロゴマークができた経緯を伺いました。
相田みつをさんと同級生だった日東産業三代目
相田さんの名が広く知られるようになったことを「幸せな男だなぁと思ったよ」と話す俊夫さんは、旧制栃木県立足利中学校で相田さんと同級生。学校では竹やりを持って軍事訓練を行うなど、共に多感な時期を過ごしたといいます。当時、背が同じくらいで机も隣だった二人は仲も良く卒業してからも付き合いは続きました。お互いの結婚後も家を行き来してお酒を飲む仲だったそうです。俊夫さんの知る相田さんは「鳥撃ち」を趣味としていたこと。そんな相田さんが考えた「北陽千鳥」のデザインは彼の好きだった「鳥」が描かれています。
ロゴマークを作ったのは誰なのか知らなかった
根っからの研究者タイプだという俊夫さんのことを「聞かれれば答えるが自ら発信する人ではない」と息子の隆幸さんは話します。「北陽千鳥」のロゴマークを作ったのが誰なのか、入社してしばらく経ってから知ったそうで「誰がデザインしたのか私が疑問に思って聞くまで親父は一言も言わなかった。相田みつを先生と交流があったことも知らなかったんだから」と笑う隆幸さん。その頃、相田さんは亡くなっており、会社の事業拡張の時期が重なったこともあってデザインのことは長い間公表せずにいたそうです。
「北陽千鳥」マークに込める思いとは
「10年ほど前に相田みつを先生の息子さんに承諾を得たことで控えめにシール(編集部注:相田みつを氏の揮毫によるものです)を貼るようになりました」と隆幸さんは話します。隆幸さんが社長になった現在、県内の観光物産店、道の駅などに並ぶ商品には「相田みつを」の名を提示しているものの、その他の場所では特に大々的に宣伝しているわけではない、とのこと。名前を積極的に出していくのも一つの方法かもしれないし今後の課題であるとは思うが、この「北陽千鳥」のマークを大事にしているからこそ今は愛して使い続けていくことだ、と思いを話してくれました。
場所 | 日東産業株式会社(北陽千鳥ソース販売元) 足利市名草下町1-2-1 足利インター・ビジネスパーク内 |
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備考 | 電話 0284-41-3348 FAX 0284-41-8175 URL http://www.nitto-chidori.co.jp E-mail contact@nitto-chidori.co.jp |
※この記事に掲載されている情報は取材当時(2017/06/30)のものです。お気づきの点があれば、「あしかがのこと。」編集部へお問い合わせください。
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田嶋美歩
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